ウクライナ侵略戦争

ウクライナ侵略戦争

・ウクライナ侵略戦争を日常の報道と違う局面から見て書いてみた。

ウクライナ侵略戦争

 

   (2022年2月24日)

 

■・軍事大国ロシアが、隣国ウクライナに侵攻して激しい戦闘を繰り広げている。恐ろしいことだ。
・なぜ、こんなことが起きたのか、連日テレビやマスコミでは報道しているが真相がさっぱり見えてこない。
・真相が見えてこないのは、日本が米国よりの報道ばかり流しているからかもしれない。

 

・侵攻したロシアは、欧米から厳しい経済制裁を受けるのは当然であるし、やってはいけない行為を侵したことは、声を上げて非難すべきだ。
・しかし、ロシアはなぜ厳しい経済制裁を受け、非難されることを「覚悟」で侵攻したのだろうか。
・マスコミでは、プーチン大統領が狂ったと行っている。ホントだろうか信じがたい。

 

 

 

 

・1991年、旧ソビエト連邦(ソ連)が崩壊した。
・崩壊後、ウクライナを始めソ連に隣接した元15の旧連邦国は、それぞれ共和国として独立していった。
・世界の人々は、これで米ソの冷戦から解放され「核の脅威」も遠のいたと思った。

 

・しかし、その後アメリカ主導の「NATO(北大西洋条約機構)」に、旧ソ連の東欧諸国が次々と加盟、さらにEU機構にも加盟して西側陣営に入っていった。
・欧米による「NATO」の東方拡大が始まった。 

 

・冷戦後、本来は軍事勢力は縮小し、平和的共存に向かうべきなのに、欧米の西側はそれとは逆に、勢力を拡大する政策をとった。
・アメリカは、平和外交を進めるより「力の理論」を進めた。
・ここから大きな間違いが始まった。

 

 

 

・ソ連崩壊時に、NATO加盟国は16か国だったが、現在は30か国に増えている。
・NATOの東方拡大の動きに、ロシアのプーチンは、不信感を募らせていた。

 

・隣国のウクライナは、ロシアの黒海艦隊の母港があるクリミア半島がある。
・かって、ソ連時代にはこの国に核装備を配備し、軍事戦略上重要な地域としていた国だ。
・そのため、ウクライナは「中立宣言」を行い独立した。(1991年)

 

・しかし、その後ウクライナが西側よりの政策を打ち出し新欧米化政策を取り始めていく。
・ロシアは、黒海艦隊の母港のクリミア半島に侵攻し、クリミヤ半島をウクライナから無理やりロシアに併合した。(2014年3月)
・このようにウクライナは、ロシアにとってきわめて重要な国で、ロシアの安全保障のため神経をとがらしている国だ。

 

・そのウクライナが「ゼレンスキー大統領」就任後、NATO加盟とEU加盟を宣言した。
・このことが、ウクライナ侵略戦争の始まりだった。 (下図参照)

 

 

 

 

・ロシアのプーチンは、以前からウクライナのNATO非加盟とNATOの東方進出の不拡大を欧米諸国に求めていた。
・ウクライナが、NATOに加盟すれば、ロシアの緩衝地帯は消滅し、ロシアの庭先にNATO軍のミサイルや戦闘機が配置されることになる。

 

・ウクライナは、かって旧ソ連時代には兄弟国だった。
・しかしウクライナが独立し、政権が変わるたびに欧米よりの政策が目立ち始め、その関係はしだいに悪化していった。

 

・2019年、親欧米派の大統領「ウォロディミル・ゼレンスキー(44歳)」が、国民の74%の圧倒的支持で大統領に選出される。
・そして、ゼレンスキーは、ウクライナの「EU加盟とNATO軍参加」への参加表明を行った。
・ウクライナ独立から28年、独立時の「中立宣言」も忘れたようである。

 

・これはロシアにして見れば、自国の庭先にNATO軍のミサイルや戦闘機が配備されることになり、認めるわけに行かない宣言であった。
・2021年秋、ロシア軍は、ウクライナ国境に向け移動した。

 

・かつて、アメリカの庭先「キューバ」にソ連のミサイルが配備されようとしたとき、ケネディー大統領がソ連との戦争を覚悟して阻止した時と同じである。
・ロシア軍のウクライナ国境への軍隊移動は、大演習のための移動であるといってこの時は、まだ侵略はしなかった。大部隊を使っての脅しである。

 

・アメリカは、この時この紛争を仲介するどころか、ロシアに経済制裁を発動しウクライナのNATO加盟は、ウクライナの主権の問題だと突き放した。
・さらに、ロシアがウクライナを侵略した場合でも米国は軍隊を派兵しないと表明する。(2021年12月)
・一方、ウクライナのゼレンスキーは、ロシアの脅し行為にくせず、戦うことを宣言した。

 

・2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻が始まった。

 

 

・国同士の戦いが始まると、もはや紛争ではなく戦争となる。

*戦争は、悲惨な破壊行為が展開される。
・現代戦争は、正義や大義など何もない破壊行為そのものだ。
・だから戦争を起こしてはならないのは「自明の理」である。

 

・破壊行為は、人だけではない街の住宅・病院・学校の建物はガレキの山となる。
・多くの市民や子供たちも犠牲となり、死亡し負傷して逃げ惑う悲惨な状況となる。
・命懸けで国外に脱出する人々など、悲鳴と悲しみが展開される。
・戦争兵器が近代化された現在、犠牲者は前線の兵士より一般市民が多い。まして核兵器の時代、一発で20万人と建物が灰と化し焼け野原となる。

・ウクライナ国民が、戦争を起こしてまでNATO加盟を望んでいたのか、
・それとも横暴的なロシアの行為に戦うことを望んでいたのか、わからないが、ウクライナ戦争は始まった。
かって2008年、NATO首脳会議でブッシュ・アメリカ大統領が旧ソ連のウクライナとジョージア(旧グルジア)のNATO加盟を提案した。
・この時米国の応援を受けてウクライナとジョージアもNATO加盟を明確に表明した経過がある。
・アメリカからの何らかの密約を受けて、ゼレンスキー大統領は戦いを宣言したのか、それもわからない。

 

 

ロシアのウクライナ侵攻戦争とは

 

■・2022年2月24日、ロシアのプーチンはウクライナ東部で「特別軍事作戦」を開始すると発表して、ウクライナ侵攻を始めた。
・それから1年6ヶ月、戦争はまだ続いている。

 

・ロシアとウクライナの犠牲者数は約50万人と推定されるとニューヨーク・タイムズ(NYT)が発表した。

 

 


 

■・ウクライナ侵略が始まった時、多くの軍事専門家は2~3ヶ月でウクライナはロシアに占領されるだろと指摘した。
・しかし、その期待を裏切って戦闘は1年半以上続いており、長期化し激化しさらに泥沼化していくようそうだ。

 

・NATO諸国は、ロシアとの直接対立を避け、戦いに必要な最新式の兵器と豊富な資金をウクライナに提供し間接的にこの戦争に加担している。
・アメリカは、ウクライナ侵略戦争でプーチン政権を崩壊させ、ロシアが弱体化することを目指している。
・自国の兵士は参戦させず、武器と資金をウクライナに与え、間接的にロシアとの「代理戦争」を仕掛けているように見える。
・その理由は、民主主義を守る戦いとして援助している支援額がとてつもないほど高額だからだ。

 

・主要国のウクライナ軍事支援 (2023年8月)

 

アメリカ NATO 430億ドル 約6兆2000億円
イギリス NATO 23億ドル 約3800億円
フランス NATO 10億ユーロ 約1500億円
ドイツ NATO 130億ユーロ 約1兆700億円
日 本 約1500億円

 

 

 

■・国際連合は、ロシアの侵略非難する決議案を圧倒的多数で採択した。 141カ国が賛成し、ロシアを含む7カ国が反対、中国やインドなど32カ国が棄権した。(2023/02/24)

 

・拒否権を持つロシア自身の侵略行為で、非難はできても停戦をさせることができない国連。
・国連は、いまやNATO諸国のウクライナに対する航空機、戦車、機関銃、火砲などの武器援助を黙認して、ウクライナがロシアを打ち破ることを願っているだけだ。
・第2次世界大戦後、再び戦争を回避するために設立した国連は、この緊急事態に対し何も有効な手を打つことができないでいる。

 

 

 

 

■・欧米NATO諸国の支援を受けてウクライナが有利に戦闘を展開したらロシアは降参するのでしょうか。
・それは考えられない。その理由は、ロシアは資源大国でもあり軍事大国でもある。さらにロシア国内では、反欧米的な批判が高まっている。

 

・プーチンは「四面楚歌」です。
・戦争が長期化し、これ以上激化してロシアを追い詰めるとロシアは「核」を使用することも十分に考えられる。

 

・手遅れにならないうちに、軍事大国のアメリカとロシアは、平和的共存を模索しなければならない時です。
・もし核兵器が使用されるとそれは人類の生存を脅かすことになる。そのことは自明だ。
・いま世界は、第2次世界大戦後、最大の「ハルマゲドン」の危機を迎えていると考えるのは、けして考えすぎではない。

 

・このことを日本人は、どれだけ認識しているのだろうか。
・いまの日本、食べ物とスポーツの話題しかないようだ。
・ノー天気で、幸せなのかもしれない。

 

 
 


 

■・もし、ウクライナのゼレンスキーが戦いをえらばす、何らかの平和的解決を模索する「先憂的な政治手腕」の大統領なら尊い人命と多くの財産が失われることもなかっただろうと思うと残念でならない。

 

・自国の利益を優先し侵略したプーチンの罪は大きい。
・この紛争を利用し勢力拡大を続けるバイデンの罪も大きい。
・なんと「愚かな指導者たち」だろうか。

 

・人は、歴史から何を学んできたのだろうか。

 

・相手の立場を理解し、お互いにその領域を侵さないルールがあり、すぐれた指導者達はお互いにそれを守ってきた。
・21世紀、愚かな指導者達の無能さで人類の危機さえ迎えようとしている。
・戦争は「正義も被害者も加害者もない」怒りさえ沸いてくる。

 

・悲惨な歴史が、再び繰り返すのかと思うと残念であり、いつも犠牲になるのは武器を持たない市民たちである。

 

・ウクライナでは、毎日戦闘が行われ、多くの兵士や市民が毎日死んでいる。
・その光景は悲惨で見るに堪えない。見るに堪えないからTVでは放映していないようだ。
・しかし、戦争の愚かさと恐怖の実態は、見るに堪えなくても情報を提供しなければならない。

 

・いま毎日報道されるウクライナ侵略戦争は、まるでTVゲームのようだ。

 

 

 

■・2019年、親欧米派の大統領「ウォロディミル・ゼレンスキー」(44歳)が、ウクライナ国民の74%の圧倒的支持で大統領に選出された。
・ゼレンスキーが自ら創った新党「国民の僕」党も、424議席中240議席以上を占める圧勝で彼は政権の座に着いた。
・ウクライナ国民はドラマ「国民の僕」で、ウクライナの腐敗する政治家たち、蔓延する縁故主義、浪費される税金、放置されたインフラ、脱税に奔走する資産家など、ウクライナ社会の腐敗と現状に怒り戦う青年の姿を描き出した。

 

・このドラマの主役が「ゼレンスキー」であり、ドラマは人気番組となった。
・このイメージに重ねあわせて彼は大統領選に出馬し当選した。
・国民的俳優として人気を得て指導者となり、自らの新党「国民の僕」を立ち上げ、0議席から240議席を獲得し政権の座に着いた。

 

・しかし、現実はドラマと実際の政治は異なる。
・ゼレンスキー大統領の任期中にも汚職や腐敗は一向になくならず、国民はゼレンスキーに失望し、その支持率は、25%まで下がっていた。

 

・しかし、そこにロシアが侵攻した。
・ゼレンスキーは、侵攻と戦う大統領として国民に呼びかけ支持率は90%に上がった。
・近代戦争の恐ろしさを知らないのか、この大統領はいまや世界を巻き込む戦いをしている。

 

・かって、ナチス党を立ち上げ、国民の圧倒的な支持で政権を獲得して、世界を巻き込む第二次世界大戦を起こしたドイツの「ヒトラー」と同じプロセスで登場したゼレンスキーは、「ヒトラー」と同じ匂いがする。
・同じ匂いがするという意味は、ドイツ国民は熱狂的に「ヒトラー」を支持した。
・ウクライナ国民は熱狂的に「ゼレンスキー」を支持した。
・どちらの国民も「熱狂的な指導者」を登場させている。

 

・ロシアの侵略戦争は、このゼレンスキーが就任後に打ち出したウクライナの「EUとNATO軍参加」への政策表明にあることを忘れてはならない。

 

 

 

■・このウクライナ侵略戦争で「漁夫の利」を得るのは誰なのか。それはアメリカです。
・アメリカは、平和政策を推し進めるのではなく、ロシアを国際社会から孤立化させ、厳しい経済政策でロシアの国力を低下させることをのぞんでいる。
・まさにアメリカは、ウクライナ国民を犠牲にして、米国の利益のため政策を進めていると考えるのは、思い過ごしでしょうか。

 

■・ロシア石油に肩代わりする国際石油資本の増益

 

 

■・このウクライナ侵略戦争で「漁夫の利」を得るのは誰なのか。それはアメリカです。
・アメリカは、平和政策を推し進めるのではなく、ロシアを国際社会から孤立化させ、厳しい経済政策でロシアの国力を低下させることをのぞんでいる。
・まさにアメリカは、ウクライナ国民を犠牲にして、米国の利益のため政策を進めていると考えるのは、思い過ごしでしょうか。

 

■・ロシア石油に肩代わりする国際石油資本の増益
・欧州は、ロシアにエネルギ供給(天然ガスと石油)を依存していた。
・侵略戦争後、それが止まり、欧州は「米国と英国系の石油資本」にエネルギの供給を依存している。
・これで笑いが止まらないのは、米英系の国際石油資本「メジャー」です。

 

 

 

 

■・この侵略戦争で「核」が使われないことを祈るしかありません。「核」は、核兵器だけではありません。
・ウクライナは原発大国で、かって事故を起こした「チェルブイリ原発」を始め、15の原子力発電所があります。
・もし原発への破壊行為があったらヨーロッパ中にその被害が拡大します。

 

・ロシアは、原発の破壊行為はしないだろうと考える。
・ウクライナには、多くのロシア人がいる。
・さらに原発の破壊は、ロシア国内にも大きな影響をもたらすからだ。しかし、追い詰められるとわからない。

 

・紛争の拡大を望む米国が、CIAの工作員を使ってウクライナにある「原発」を破壊するかも知れないと憶測すれば、それだけでも身震いがする。
・アメリカは自国の利益のためには何でもする国だから。

 

●・日本に原爆投下と大量の焼夷弾で東京を焼け野原に。
●・ベトナム戦争では大量の枯れ葉剤とナパーム弾の投下。
●・ラオスに大量のクラスター爆弾と約58万回の空爆。
●・アフガニスタンでの大量虐殺行為。
●・でっち上げでイラクに侵攻、イラク国を崩壊。
●・その他、中南米諸国への破壊行為など数え上げたらきりがない。

 

・アメリカという国は、そんなことを平気でやる国で、歴史を見ればよくわかる。私の幻想だろうか。

 

・日本のマスコミは、米国の「漁夫の利」については、一切報道していない。
・誰かによって報道制限されているのか、または、報道陣達が、ノー天気ですっかり骨抜きになっているのかも知れない。